解離性同一性障害、複雑性PTSDと診断されている、元物書き。 症状や治療などあれこれ。

ドラマ「高嶺の花」がウケない理由を考えた

石原さとみ主演「高嶺の花」の視聴率が悪いらしい。

1話目から毎週見ているが、ウケない理由もわからんでもない。

個人的に思いつく、ウケない理由を5つ程挙げてみる。

※第六話までを見た段階です

 

(スランプ中のため駄文であることを、最初に断っておきます)

 

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画像:高嶺の花|日本テレビ

 

1.共感できる人物がいない

主人公1:月島もも(石原さとみは、華道の名門の家の長女。

圧倒的な華道の才能、美貌を持つ、まさに「高嶺の花」

突然、一方的に婚約破棄をかまされた(しかも式当日)ことをきっかけに、精神的に病んでしまう。

自律神経失調で味覚を失うわ、華道の「極み」みたいな感覚も失うわで、悩み苦しむ。

 

主人公2:プーさん(峯田和伸)は、38歳童貞、生涯彼女無し。

学歴も家柄もない、ブサイク設定。純粋で優しい真面目な庶民。

高校卒業後より、病気の母を介護しながら、下町の商店街にある昔ながらの自転車屋を営んできた。母が1話で死亡。

読書家で、心理学や哲学等の小難しい本を多数読破しており、言葉の端々にも教養が感じられる。ただの高卒のアホではない。

(父親は中学生の時に死亡しており、このことがプーさんの心に大きな傷を残していたことが、後に判明する。)

 

写真下、左が石原さとみさん、右が峯田和伸さん。

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 画像:高嶺の花|日本テレビ

 

…単純なラブコメかと思いきや、設定としてはかなり重い。

(省いたが、石原さとみの家族関係も実に複雑。)

 

ただでさえ感情移入しにくい名家の天才お嬢様だというのに、婚約破棄かましてきた男に無意識にストーカーしちゃって接近禁止命令出されてたり、家の鏡で自分の姿を見て頭を抱えて泣き崩れるほどには、精神やられてるんだもの…。PTSD状態。

更には、華道家としての自分を取り戻すための方法もゴニョゴニョで、峯田和伸の見た目が生理的に無理!という人でさえ「いくらなんでもそりゃねーだろ!さとみ!」と言いたくなるのでは…。

 

失恋・婚約破棄で病んだだけなら共感も応援もしやすいけど、病み方がやばいし、問題は、そこから華道の極みを失ってしまったことになっていくので。そうすると、共感も応援もしにくいと思われる。

 

 

プーさんだって、ただの非モテ童貞じゃない。

「恋愛経験のない町の自転車屋のせがれ(見た目はアレでも人柄は良い)」だけならまだしも…。

父親の死は納得のいかない不条理なものだったらしく、それがトラウマ化し、今でも思い出して泣くほど。PTSD状態。

高校卒業後から20年間、母を介護しながら、いきなり自転車屋を継いでいるため、チャラチャラと遊んでいる暇などなかったことは想像に容易い。

庶民だけど人生ベリーハードモード。

…感情移入できる人は少ないだろう、応援はしたくはなるけど。

 

 

共感というか「わかる」のは、石原さとみの運転手と妹と母親くらいではないだろうか。

好き嫌いは別として。

 

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画像:高嶺の花|日本テレビ

 

2.石原さとみ、めちゃくちゃ

主人公の月島ももこと、石原さとみ

天才美人の超絶お嬢様設定なのだが、プーさん達庶民軍団といる時の振る舞いは、「ガサツ」とも言えるもの。

素が出せている、リラックスできている、と捉えることもできるが、ちょいと羽目を外しすぎである。

 

キャバクラ嬢もやっちゃう。

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画像:高嶺の花|日本テレビ

 

石原さとみの振る舞いに、「本当にお嬢様…?」と疑問を抱いたり、「下品な女だな」と嫌悪感を覚える人はいるだろう。

 

振る舞いだけでなく、行動もめちゃくちゃである。

めちゃくちゃばかりが目立ち、肝心のプーさんに好意を抱いたきっかけ、好意を深めたポイントもわかりにくいため、「さとみ!なんでこんなブサイク好きになってんだよ!」「急展開すぎない?」などと思われてもおかしくない。

 

先に触れた、真の華道家としての自分を取り戻すための方法としてとった行動もゴニョゴニョで…そもそも家元にならないって言ったり、なるって言ったり。

いくら精神を病んでいるからといっても、周りに迷惑をかけすぎである。

 

「天才には凡人には理解できない世界がある」的なあれこれが、現家元である石原さとみの父役・小日向文世から繰り返される。

確かに、天才にしか見えない世界や感覚ってのはあるだろう。

しかしね、とんでもストーリーのための便利な言い訳にしか思えなくなってきているよ…。

 

しかし、和服姿の石原さとみはめちゃくちゃに美しい。

石原さとみがイメージキャラクターを務める化粧品のCMが合間に流れるが、ダッシュで買いに行きそうになるぜ…。

 

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 画像:高嶺の花|日本テレビ

 

3.峯田和伸のクセが強い

ネットの感想で目立つのが、峯田に対する不満である。

生理的に無理だの、清潔感がなさすぎ、気持ち悪いだの、割とボロカス。

誠に遺憾である!ハマり役だろ!美女と野獣

 

…なんて思うのは、峯田和伸のことを私がよく知っているからかもしれない。

 

脚本家の野島伸司氏は、プーさんという役は峯田和伸であて書きしたんじゃないかと疑っている。

プーさんという人物こそ野島氏が書きそうな人物だし、峯田本人のキャラクターともダブるところが多い。

 

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画像:高嶺の花|日本テレビ

 

峯田和伸本人を知っているかどうかで、受け取り方が全然違うのだと思う。

それってダメなことで、知っていようがいまいが、理解させ納得させなきゃいけない。

野島伸司氏は、峯田のことを知ったうえで書いたもんだから、結果として「プーさん」という人物について描写が足りなくなってしまったのでは。

 

(峯田だからな)で勝手に補完している部分が、私にもあると思う。

 

 とりあえず、峯田の歌う「ラブミーテンダー」配信はよ!

 

4.一話完結じゃないと辛いご時世

このドラマは、完全な連続ドラマ。しかも意外に複雑。

途中から見ると、わけがわからないと思う。

 

見逃し配信があるとはいえ、基本的に1話完結型じゃないと、高視聴率は厳しいんじゃないかと思う。

筋はあれども、基本は1話完結。見てスッキリ。

ラストに向かい、徐々に伏線を回収していく…ってパターン。

 

その真逆のものだから、視聴者を掴み続けなければいけないけど、逆に脱落させちゃっている。「続きが気になる」より「めんどくせ」「もういいわ」が勝っちゃってることになる。つらい。

 

 

5.結局は脚本ってことになる

色々書いてきたけど、結局の問題は脚本と演出に。

 

やはり主人公らに共感や感情移入ができないというか、応援しにくいところが痛い。

あと、若干古いなと思う箇所もいくつか。おもしろ華道軍団率いる宇都宮龍一(千葉雄大のキャラとか…。

 

そうだ

野島伸司作品って、主要キャラクターの誰かが死にますよね。

まあ千葉雄(ry…

 

とにかくだ!!

さとみは精神を病んでいるということを念頭に置いても、「入院させようぜ…」と思ってしまうほどにハチャメチャぶりである。

プーさんだって、ただの非モテ中年ではない。闇が深い。

 

しかも、どんどん他キャストの闇が描かれていき、話はどんどん重く複雑になっていくのだろう…ああどうなってしまうのだろう…私たちはついていけるだろうか…(不安とわくわく

 

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画像: 高嶺の花|日本テレビ

 

【まとめ】それでも好きだよ

オープニング映像も、なんか違う気がする。

番宣も何度か見たけど「ラブコメです」みたいな宣伝だった。

重めの話だよ、って宣伝しておいたほうが、よかったのでは…。

 

下の写真なんて、ラブコメっぽいけど。
実際のところはそうでもない。全然そうでもない。

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 画像:高嶺の花|日本テレビ

 

ドラマも折り返し。

ここからどうなるかはわかりませんが、後半にかけてハチャメチャに拍車がかかりそうです。いい意味でも悪い意味でも。

水曜を震えて待て!

 

 

私は楽しみだよ、高嶺の花!

 なんだかんだ毎週、どっかで泣いてるよ!

 

(でもごめん、本命は「dele」です)