解離性同一性障害、複雑性PTSDと診断されている、元物書き。 症状や治療などあれこれ。

「獣ゆく細道」という名曲

椎名林檎×宮本浩次

2018年最大のヒット曲は、DAPUMP「USA」なのだろうか。

個人的には今のところ「獣ゆく細道」です

椎名林檎さんの作った楽曲を、エレファントカシマシ宮本浩次さんと、椎名林檎さんが歌っています。

 

youtu.be

 

news zeroのために書いたという曲だけど、宮本浩次さんのために書いた曲のように思えます。
それくらい、宮本さんにピッタリの、宮本さんの魅力を引き出すような楽曲です。

 

夜のニュースを見るであろう30代40代には、エレカシ椎名林檎も、知名度も人気もあるでしょう。
その辺も考えた起用だとは思う。下衆な勘繰りですが。

 

夜のニュースの曲は、観終わった後に寝るであろうことを想定して、しっとりした曲が選ばれることも多いけど、この曲は真逆で、パワーのある、力が漲るような曲で。
歌詞がまた、すごい。

大人が、明日も精一杯生きようと思えるような曲です。

 

椎名林檎さんの公式サイトに、歌詞が公開されています。

ぜひ曲を聴きながら、歌詞を目で追ってみて欲しいのです。

www.kronekodow.com

 

1番は宮本さんがメインで歌います。
2番は椎名さんがメインで歌います。

それぞれのパートで、サブが囁くように応える(歌う)部分があるのですが、そこがどちらもずしりと響きました。

個人的に、特にたまらない場所です。
歌詞メロディーはもちろんですが、それぞれの歌い方もたまりません。

 

1番
宮本:飼いならしているようで飼い殺しているんじゃねえか 自分の真の才能を
(椎名:あたまと身体 まるで食い違う)

2番
椎名:気遣っているようで気遣わせているんじゃ(ねえか) 厭だ 自己犠牲のふりして
(宮本:御為倒しか とんだカマトト)

 

唄う人は違えど、自分が自分に囁いているように受け取りました。

私は解離性同一性障害のため、何か考え事をしている時に、こういう突っ込み(囁き)が自分の声で入るため(はい幻聴です)、そう感じたのかもしれませんが。

 

文章が上手く書けない状態が、もう半年は続いていて、「才能とはなにか」「積み上げたスキルとは」などと常々考えてもがき苦しんでいるため、ぶん殴られたような気分です。

ついでに、自分は「自己犠牲精神の塊だ」と自他共に認めているところなのですが、今回病気が家族に明るみになり、かなり気遣わせている部分があるんですよね。
だからこちらでも、ぶん殴られたような気分で。

家族に気遣わせているとわかってはいるけど、それでも「自分さえ我慢すればいい」と思って隠し耐えている部分もあって、ああ…!

椎名林檎さん…相変わらず痛いところを抉る…!宮本さんも「とんだカマトト」って、そんな言い方しないで…!

 

…私のような病気じゃない人でも、この両パートがグサッと刺さる方は多いのではないかと。それぞれが、働き盛りの大人の男と女がそれぞれ抱えがちなモヤモヤ(悩みや葛藤)のように感じます。

 

歌のこの部分が、頭の中をぐるぐると。

配信日に買いました。毎日毎日聴きまくっています。

 

正体は獣

私は椎名林檎さんがデビューした当時から大ファンです。
本人的には黒歴史であろう、メンヘラキャラの時から大好きです。

コンサートも何度も見ていますが、椎名さんはまさに「美しい獣」

「本能」丸出しでステージにぶつける、というよりは、計算に計算を重ね自分含めて世界を作り上げるような方だと捉えています。(少なくとも最近は)

最強クラスのバンドメンバーを従えたうえ、凝りに凝ったステージ演出。
唄うときのポーズひとつ、考え抜いているように思います。

世界を作り上げ、全て演じているようにも見えるため、「狡猾な獣」と捉える人もいるでしょう。

 

宮本浩次さんはある意味、椎名林檎さんとは真逆です。

裸一貫、全身全霊をステージにぶつける、野性味あふれる「獣」。
ライブでは、そのパワーに圧倒されます。曲に力が乗り、感動すら与えられます。
ストレートな歌詞が、ズドンと刺さる。

 

真逆のタイプのクソ強い「獣」が共演し、力強く歌い上げる「獣ゆく細道」

音楽業界に君臨する、唯一無二の獣たちが唄う、この楽曲は、きっとパワーを与えてくれるはず。

ぜひ、大人の方々に聴いて頂きたい楽曲です。

 

椎名林檎さん、宮本浩次さん。
素晴らしい楽曲を、ありがとうございました。

 

【おまけ】椎名林檎と彼奴等の居る真空地帯

今年の椎名林檎さんのツアー「椎名林檎と彼奴等の居る真空地帯」行きました。
みんな大好き!浮雲さんは居りませんが、ヒイズミさんは居ります。

懐かしい曲も多いセットリストで、弁解ドビュッシーや眩暈などが聴けました。
大好きな「大人の掟」も聴けて、凄く嬉しかったです。

 

この時はまだPTSDの症状が酷く、人が怖くて怖くて行くこと自体を迷っていたのですが、頑張って行って良かったです。

ビクビクして日々生きていた中、気付けば椎名さんのステージに集中しており、発症後初めて周囲にビクつかない時間を過ごすことができました。

 

二重の意味で、幸せな時間でした。
音楽の力は人を救うと、改めて思いました。

ありがとう、椎名林檎さん!

 

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画像:SR 猫柳本線