GRAPEVINEという名の、光について
GRAPEVINEという渋いバンド
常に鬱屈していた思春期に出会ったGRAPEVINE(グレイプバイン)というバンドは、出会った日から現在まで、常に私と共にある。
GRAPEVINEの音楽は、私の心を白日の下に連れ出してくれたり、望みの彼方を見せては壊れそうな心に光をくれた。
過去に囚われてしまったような時には、それは毒だと、棘が刺さったのだとも教えてくれた。
GRAPEVINEが、2019年2月6日にニューアルバムを発売する。
タイトルは「ALL THE LIGHT」
アルバムに収録される「Alright」という曲が、本日11月29日に先行配信ですよ。
YouTubeでフル公開もされたよ。
結局のところ、人間、何かしら悩んでいたり不安な時に一番欲しい言葉って、「大丈夫」なんじゃないかと思った。
色々な「大丈夫」の歌がこの世にはある。
心に寄り添うように、優しく「大丈夫だよ」と囁くような歌。
軽く「大丈夫でしょ」と笑い飛ばす歌。
GRAPEVINEのこの歌は、多分後者。
しかも「こんな言葉が欲しいんでしょ?『大丈夫』って」みたいなこと言ってる。
そう、図星だよ。
そういう心境を見抜いたうえで言われる「大丈夫」
酒を片手に、煙草吸いながら言われるような「大丈夫」
この絶妙な距離感。バイン独特の距離感。
お前のための歌じゃねーよ感。
でも、決して突き放しはしない。
考えていないわけではない。
これくらいの距離感の歌が、私にはちょうどいい。
距離を置きたがるGRAPEVINEさん
この曲に対する、田中和将さん(vo/g)のコメントがこちら。
聴いた人を幸せにしたいわけでもなければ、
勇気づけたいわけでもない。
重要なのは、音楽を聴いたすべての人が直面するであろう、或いはしているであろう、
現実という名の「光」なのだ。
以下、気持ちが悪い自己解釈を垂れ流し。
発言にせよ作品にせよ、世に出た瞬間から、どう解釈されても仕方が無いから…ということで、勘弁してほしい。
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生きていること自体が「光」なのだ。
しかし「光」があるところには「影」もある。
現実という名の光は、時に影も生む。
私たちが生きるこの地球では、太陽が昇り沈むことで、影は形を変える。
自分の意思とは関係なく地球は回り続け、影も形を変え続けている。
現実という「光」の中における「影」とは、不安や悩みといった類のものだろう。
「影」は、性質を変えて人々を覆う
太陽が作る影と同じく、その影も、そのうちに小さくなって消えるだろう。
光と影はひとつ。影があるのは光があるから。
現実という名の「光」がここにあることが、重要なのだ。
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そこからの、「Alright / 大丈夫」
ああ、稚拙なり…無念極まりなし。
いまの私がササッと書けるのはこれくらいだよ、悲しいけど。
上記の田中さんのコメントを見て、ファンならば必ずこの曲が思い浮かぶはず。
1999年に発売したシングル曲「光について」
ちなみに、GRAPEVINEデビュー15周年時に行われた楽曲人気投票で1位でしたね。
コメントを読んだうえで、再度この曲を聴くと、違った味わいがあります。
GRAPEVINEさん、今年もありがとう
私にとって、2018年は人生史上で最悪といえる一年でした。
年頭に自殺未遂しちゃって精神病院の隔離病棟に三ヶ月ぶちこまれ、PTSD発症して、解離性障害は暴走。文章も書けなくなって。
そんな年の最後に、約20年間、勝手に共に生きてきた兄貴的存在のGRAPEVINEパイセンが年末に放ってきたのが「All right」。大丈夫。
たまんねえよ、泣かすなよ…!
それが答えだと、今は思うことにする。
なんとかなる、大丈夫だろって思うことにした。
聴いた人を救いたいわけでもないと言っているけど
多分、たくさんの人がこの曲で、気が楽になったり、前向きになったり、酒が進んだりしていることでしょう。これくらいの感じが助けになる人、沢山いるはず。
少なくとも2019年2月6日のアルバム発売日までは、のらりくらり生きるって決めた。
ありがとう、GRAPEVINE!
すごいよ、バイン!