あなたはどんなファッキンクライド
PTSDや解離性障害の原因となった類の辛い過去が、ここにきて急速に封印されていっているように感じる。
まるで、眠るたびに、ひとつずつ封印されていくようだ。
あれだけ苦しんだフラッシュバックやリアルすぎる悪夢も、内容が思い出せない。
私を苦しめる、辛い過去が思い出せない。
「父親に殴られた」ことをフラッシュバックしたことまでは思い出せても、その先に繋がらない。
現実感がまるで無く、他人事のようだ。
詳細が全く浮かばない。
「父親に殴られた」という文言が、ただ記録として残っているようだ。
本当に「父親に殴られた」過去があったのだろうかと疑ってしまうぐらいに、現実感が無いのだ。
私は、何に涙して、何に苦しんでいたのか。
浅すぎた眠りの末
人間は忘れる生き物だ。
だけど、これは正常な忘却とは思えない。
思い出そうとすると、思い出せないだけではなく、凄まじい違和感を覚える。
記憶の上辺だけをなぞらされているような。
何も思い出せないのに、確かに何かがあったという妙な確信がある。
その先を求め、様々な角度から考えていくと、頭痛が始まる。
考えられないように、足止めされる。
そうして、大体眠ってしまう。
目覚めると頭痛は消え、違和感だけが残る。
愚かなフェイドアンドアウェイ
正常な忘却ではなく、解離による忘却なのだろう。
自己防衛のため、無理矢理に一部の記憶を脳の奥底へと封じ込めたのだろう。
10年前と同じパターンだ。
トリガーが引かれてPTSDを発症し、解離性障害が派手に現れる。
苦痛に耐えきれず、人格交代し、自殺未遂や自傷や遁走を繰り返す。
そして解離性障害の症状が収まるのと並行して、辛い過去の記憶が思い出せなくなる。
…死ぬまで、このパターンを繰り返すというのか。
その場凌ぎじゃないか。
ほんの少しの夢に溺れるだけ
何気ない日常生活を送っていて、ふと、妙な引っ掛かりを覚えることがある。
きっと、そこには辛い過去に関係する何かがあるのだろう。
10年前と同じパターンなら、そのうちに、そんな違和感や引っ掛かりも覚えなくなる。記憶の上辺をなぞっている感覚もなくなる。
とても辛くても、とても大事なことがあるのに。ある時、それすらきれいに忘れてしまうのだろう。
それはとても、悲しくて辛いことだ。
昔の私には耐えられなかったことでも、現在の私になら耐えられることもあるだろう。乗り越えさせて欲しい。時間と苦痛を伴ったとしても。
- 数え切れぬ夜を越えていけると信じさせて、それだけでいい