解離性同一性障害、複雑性PTSDと診断されている、元物書き。 症状や治療などあれこれ。

飛び降り自殺を図ったら、家族はどんな顔をするだろう -1.弟-

投身自殺からの入院

昨冬、飛び降り自殺を図りました。
自宅のベランダから飛び降り、庭へと落ちていました。

解離して行った行為のため、飛び降りた記憶が一切ありません。

全身を痛みが襲い意識が戻り、目を開けると草の中。
わけもわからず、身体を起こしてみたら、庭でした。

それを切欠に、解離して投身自殺未遂というのが3回続き、自分で自分が怖くなりました。

幸い死んでもいないし、大怪我もしていないけど、全身が痛い。
特に、腰と足首は相当痛いし、こりゃたまらん、と。
生きている以上、痛いのは嫌ですからね…。

翌日、急遽かかりつけ医を受診。
主治医に説得され、精神病院へ入院することになりました。

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初の精神専門病院(巨大)へ

入院することを、母親に説明しなければなりません。

「飛び降り自殺を繰り返した」ことが入院の理由ですが、医師には入院理由をぼかすようにお願いしました。
母はパニック障害を持っていますし、突然、娘が自殺未遂をしただなんて医師から伝えられたら、精神的にキツイだろうと考えたからです。

診察室にて、私の携帯から母に電話し、医師と代わりました。
医師は「精神的にかなり弱っており、放っておけない状況のため、入院治療を考えています。」的な説明を行ってくれたと記憶しています。

その日はちょうど弟が休日で、車で送ってくれていました。
これが幸いし、車でそのまま精神病院へ向かうことに。

 

紹介状を持ち、精神病院へ。
人生初の精神病院への入院です。

弟にも、自殺未遂の件は話していません。
そもそも話す気もありません。

(弟は自分の趣味範囲以外には寡黙なので、入院することを話しても、入院の理由などは尋ねてきませんでした。)

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弟、姉の自殺未遂を突然知る

紹介先の精神病院へと到着し、ここでの主治医となる精神科医の診察を受けました。
診察を終え、正式に入院が決定となりました。

「ご家族の方はいらっしゃいますか」と医師。
弟がいると答えると、呼んでください、とのこと。

 

精神病院には、患者の安全のために様々な制限が設けられています。
私は自殺未遂を繰り返していたため、まずは隔離病棟の中の隔離室に入ると説明されました。

荷物は全て預かり。スマホ禁止。24時間モニター監視。

これは「身体拘束」に相当し、人権侵害になると(まあそうだ
拘束に同意する旨の書類への家族のサインが必要とのことで、弟が呼ばれたわけです。

…が、それだけではなかった。

 

弟を、診察室に呼び込みました。
軽い病状説明と書類へのサインだけと思いきや、医師は冷静に話し出しました。

 「お姉さんは、今日から〇階隔離病棟に入院します。自宅のベランダや二階から飛び降りるなど、非常に危険な自殺未遂を繰り返し…」

 

医師、さらりと暴露!
がっつり説明、しっかり暴露!

 

「…自分で自分の身体を傷付けているようなので傷の処置を行います、結構傷が深いので…」

 …そこまで言うのかよ!マジかよ!
予期せぬことに私は硬直、衝撃の事実に弟も硬直。

 

「…自殺や自傷行為の危険性があるため、24時間監視ができる隔離室に入って頂きます。」
「身体拘束に同意をするサインをお願いします」

精神科を一度も訪れたことがない弟に浴びせられる、パワーワードの嵐!
弟は固まったまま「ハイ」と繰り返し、書類をよく読みサインをしました。
「医療措置入院」の手続完成です。

 

看護師に案内され、弟と共に、入院する病棟へと向かいました。

その短い道中の、気まずさたるや。

弟に伝えるって確認してくれないのかよ…それなら自分で伝えたかったよ…とか肩を落としながら。心の中で舌打ちをして。

弟に「驚いたでしょ、ごめんね」と言ったら、「…さすがに、はい」と返ってきた。

自分的には、最悪の伝わり方でした。配慮が足りなくないか、病院よ。
今でも弟には悪いと思っています。

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姉の自殺未遂を知った、弟の心境

医師の話を聞いている時は、「晴天の霹靂」状態だったそうです。

自殺や自傷行為は全て解離しての行為であって、弟と接している解離していない私は、少し元気がないくらいの私です。
それが余計に恐ろしいというか…色々と信じられなかったようです。

実は弟が家にいるときにベランダから飛び降りていたので…それはかなりショックだったようです。彼なりに悔やんだそうです。

色々な感情がぐるぐると回る中、「拘束」の書類にサインをするとき、自分が「家族の代表」「姉の保護者」という責任感が湧いてきて、これからしっかりしていくぞ!と、気持ちが切り替わったそうです。

「弟」だから、色々な思い込みやらがあって侮っている部分がありましたが、常識や責任のある成人した社会人の男なんですよね。

言葉ではなく態度で示す、でした。

実際、この後の入院生活を主にサポートしてくれたのは弟です。
仕事が休みの日は、ほとんど顔を出してくれました。

言葉で表せないほど、感謝しています。

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親に自殺未遂の事実は伝えるべきなのか

入院する病棟へ到着。

完全なる隔離病棟の中の、完全なる隔離室。
独房そのもの。

弟は、入院に必要な物品を持ってくる任務を看護師より課せられたため、入院のしおりを持って自宅へと戻ることに。

ここで私は言いました。
「お母さんには、自殺のこと言わないで」

…弟は言わないとは思ったけれど、きちんと確認・念押しをしておかなければならないことを、少し前に経験しているからね!!!一応確認ですよ。

弟は頷いた。言いませんと。

その場にいた看護師にも確認をした。
「親には入院することしか伝わっていないんですが、自殺未遂したと伝えなきゃいけませんか?」と。

言わなくてもいい、とのことだった。

(…その時は、という話なんですけどね)

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長く不自由な入院生活が始まる…

想像以上に退屈で自由もなく、長い入院生活が始まります。
装飾は剥がされ、パソコンはおろかシャープペンすら与えらぬ日々が。

その話はまた後日。

とても長くなってしまった…。

 

精神病院に入院する方に、まずお伝えしたいのは…

家族に話してほしくないことや、カルテに残されたくないこと(看護師や心理療法士などに知られたくないこと)は、医師にきちんとそう伝えましょう!

 

おやすみなさい。

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