夢か現か、それが問題だ
リアルな夢を見る
最近、夢を見る場合は必ずリアルだ。
悪夢だけではなく、甘く優しい夢も見る。
実際に経験したことを追体験するような夢と、実体験ではないが登場人物や状況が実にリアルで、いかにもあり得そうな内容の夢。どちらかだ。
夢だと断定し「過去に無かった」と思いこんでいるものも、実際には経験した「過去」なのかもしれない。逆も然りだ。
私は解離性障害。記憶の改変は特技だろう。
リアルと、リアルに近いフェイクと
実際の記憶をなぞる夢と、実際の記憶に似た夢。
これらを巧妙にミックスされると、何が本当で真実で現実なのかと、ぼんやりと混乱する。自分の記憶を信用できないだけに、微妙なところを突かれると、揺さぶられる。
私の認識能力は、いよいよおかしい。
自分の現在地を正確に把握できないことが増えており、結果として夢に引っ張られてしまいがちだ。
何が真実で、何が虚偽なのか。
これは現実なのか。いまはいつで、私は何なのか。
池袋を歩きながら、あんな会話を交わしただろうか。
あの部屋にあの人は来て、あんな会話をしたんだっけか。
私って、結局あの人とどうなったんだっけ。
このベッドは、いつの私の部屋のベッドなのか。
ぼんやりとした混乱は、時には痛みを伴うが、時には甘く優しい。
夢が私を手放すまでは、だらだらと眠り続け、夢に耽る。
そんな日々を送っていたら、もう夏。
夏は嫌いです。
夏に突然いなくなる女は、嫌われて当然です。