幻覚がひどい、絶望が囁く、言葉とは何か
とにかく「体調が悪い」
「体調が悪い」とは便利な言葉だ。
とてもぼんやりとした言葉なのに、意図は伝わる。
腰が痛いのかもしれないし、下痢気味なのかもしれないし、頭が痛いのかもしれない。
風邪なのかもしれないし、生理痛かもしれないし、睾丸が痛むかもしれないし、私のように幻覚に苦しんでいるのかもしれない。
身体に異変が起き、そのせいで本調子ではないような状態は、全て「体調が悪い」で伝えられるのだ。ああ、なんと便利な言葉だろうか!
家族にも「体調が悪い」と一言だけ告げ、部屋に引きこもっている。
嘘はついていない。
詳細は話したくないし、家族も聞きたくないと思う。
家族は、精神的な不調や症状の話を嫌がる。
「幻覚が酷い」だなんて言えない
簡単に言ってしまえば「幻覚が酷い」だ。
見えないはずのものが見えて、聞こえないはずの声や音が聞こえる。頻繁で、日常生活にかなりの支障をきたしている。
「幻覚」は統合失調症の代表的な症例だけど、解離性障害にも起こる。
同じ「幻覚」でも統合失調症と解離性障害での決定的な違いは、それらを「幻覚」と認知できるか否かだ。
「幻覚」が幻と判断できれば、解離性障害だそう。
私は、リアルと幻覚の違いをわかっているつもりだ。
だからこそ…
幻覚への恐怖で、部屋から出られないなんて、家族に言えない。
幻覚への恐怖で、家族の顔が見られないなんて、言えない。
幻覚があり、其れに苦しんでいるなんて、家族は聞きたくないだろう。
幻と判っていても、怖いもんは怖い
いくら幻覚とは判っていても。
視えているときや、触感があったときは、結構怖い。
慣れるもんじゃない。走る恐怖や悪寒は変わらない。
幻聴は、私の場合全部自分の声なので、怖くはない。
内容が怖かったり辛かったりは、するけれど。
恐怖感を味わうのは構わない。
幻覚のせいで、家族に対して何か良くない行動を取ってしまうのではないかと恐れており、それが一番怖いのだ。
だから私は、部屋から出たくない。
家族ともいたくない。家に家族がいるとわかると緊張する。
解離性の幻覚に効く薬は無いことを知っているから、病院に行っても仕方ない。
治まる(順応する)のを待つしかないのだ。
治療薬がある病気は、なんであれ救いがあるように思える。
まあ、ないものねだりだ。
幻触、幻視、幻聴、聴覚過敏
見えざるモノが見える
聴こえざるモノが聴こえる
触らざるモノを触った感覚があるし
神経が緊張状態なのか聴覚が非常に敏感だ
部屋の外は危険だと脳に刷り込まれているようだ
この部屋だけ結解で守られているような。
この部屋でだって、昔、嫌なことはあったのに
それもわかっているのに、部屋は安全でそれ以外は危険だという考えが頭にある。
私の、本と洋服に埋め尽くされた部屋。
幼児並に、好きな物以外を排除し尽くした部屋。
結解、呪い、神様、仏様
経験上、「ふと」には従った方が良い。
何故か突然行きたくなったとか、観たくなったとか。「虫の知らせ」みたいなもの。そういう感覚は無視しちゃいけない、と私は思っている。
一度触れたものを忘れていても、身体は覚えていると思っている。
今の自分には其れが必要なのだと、身体が教えてくれているのでは、と思っている。無意識、意識、偶然、必然。
物事の考え方や捉え方、京極夏彦さんから受けた影響は大きい。
「言葉」への意識については、特に影響を受けた。
「言葉」だ、私は「言葉」に縛られているのかもしれない。
時間は沢山ある。
京極夏彦さんの作品を早速読もうと思う。